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信州上田の旅と歴史
上田・塩田の旅       上田市(塩田)

常楽寺
じょうらくじ
長野県上田市別所温泉2347
 常楽寺の開山は平安時代のはじめ別所温泉を開いた円仁慈覚大師によって開かれたと伝えられています。北向観音の本坊です。その後は塩田北条氏や海野氏によって建て直したといわれています。
 古い歴史をしのばせる、清々しい境内、御船の松という船の形をした地を這う老松が本当に見事です。また国指定重要文化財の常楽寺宿造多宝塔が有名です。多宝塔というのは、上下二重の屋根がある塔です。屋根の上には相輪という柱のようなものが立っています。
 北向観音をお守りする寺で、今は天台宗の別格本山となっています。この寺の境内で昔、大きな火柱といっしょに観音様の本尊が現れたという言い伝えが残っています。
 常楽寺は、別所温泉にある天台宗の古いお寺で、常楽・安楽・長楽という「別所三楽寺」の一つです。長楽寺は今はありませんが。
 鎌倉時代に塩田地方は「信州の学海」と呼ばれていたのですが、この常楽寺もその頃、宗教・学問を勉強する場所であったようです。
 安楽寺の開山樵谷惟仙も16才まで、この常楽寺で仏教の教えを学んだという記録があるそうです。
 また正応5年(1292)には神奈川県の称名寺の坊さんが、「十不二門文心解」というお経を常楽寺で写したということが文書に残されているそうです。
 本堂の裏手にあるうっそうとした杉林の中に国の重要文化財に指定されている石造多宝塔があります。塔の高さは274cmと大きく、700年の歴史が感じられる塔です。他に石造で重要文化財指定のものは滋賀県の小菩提寺にある塔だけだということです。
 重文の石造多宝塔のすぐ右がわに、総高168cm、五層のよく整った層塔が一基建っています。これが有名な里帰りの多層塔といわれる石造塔です。昭和59年(1984)に上田市の指定文化財になりました。大正14年(1925)に石造塔群が発見されました。ところが、この塔群が流失して、一基もなくなってしまいました。
 ある熱心な研究家が、八方手をつくして探し滋賀県に一基あることを見つけました。北内観音の本坊常楽寺の和尚さんなどとお願いをして、昭和56年(1981)に約60年ぶりに故郷へ帰ることができました。そのことから里帰りの多層塔といわれるのです。
 常楽寺には「常楽寺美術館」が併設されています。常楽寺先住半田孝海師が集められた古瓦のコレクション、徳川家康日課念仏、葛飾北斎(かつしかほくさい)が描いたとされる絵馬など、貴重な文化財が展示されています。 



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